こんにちは。
今日は過去に経験したバイトの一つとして個人経営のレストランでの体験記を綴っていきます。
かなり昔の話なので、現在はこんな感じではないのかもしれませんが、個人経営店でのバイトを考えている方の参考になれば嬉しいです。
どんな店?
働いていたのは10年以上昔で今は潰れてしまってましたが、地元の繁華街の路地に隠れ家的にポツンとあるイタリア料理店でした。
当時地元の繁華街がかなり寂れていた事もあり、昼間は店を閉めていて、18時から24時(繁忙時延長あり)のみ営業していました。
店内はこだわりがあり、1階にはバーカウンターになったカウンター席と、絵画が飾られた白くて綺麗なフロアに客席が5席。
2階は宴会用で、間接照明の薄暗いお洒落な広い空間に赤い大きなソファー席が4つ。
3階が厨房(夏は命の危険を感じるぐらい暑い)、更衣室兼物置が地下室(冬は激寒)になってたりと変わった構造でした。
週末は割と予約が入りますが、平日はほぼ客が来ないお世辞にも繁盛しているとはいえないお店でした。
クセが強い店長
店長は長い間イタリアで修業を積み、昔は神戸にあるなんたらホテルのシェフとして働いていたらしく、料理は使う材料や盛り付けにも凄く凝っていて見た目も綺麗で味も美味しかったです。
しかし、人間的に悪い人ではないものの、かなりのダメ人間くせ者で、平日は客が来ないのをいい事に、バイトの子とずっとゲームしてたり、営業時間中にキャバクラに行くような人でした(前者はともかく後者はマジでキツかったです)
とにかくこだわりが強く、座席の番号を日本語で一番とか二番じゃなくてウノ、ドゥエ、トレみたいにイタリア語で言わないと怒られたり、「ピザじゃなくてピッツァって言ってね」なんてネタみたいな事を真顔で言ってくる人でした。
週末にまとまった売上が入ると、そのお金でキャバクラに繰り出したり、僕たちバイトにご飯を奢ってくれたりと、有難いけど絶対経営的にヤバいよねっていうのが伝わってくるお金の使い方をしてました。
バイト初日の思い出
元々は調理補助スタッフとして応募して採用されたんですが、平日は客が来ない=バイトも1~2人しか出勤しないからたまにホールもやる事になるって事で、客に色々説明出来ないと駄目だからと座学でお勉強をさせられました。
カルパッチョは画家の名前が語源になってるとか、~風パスタの~風はイタリア語で~って意味みたいなのをめっちゃやってました。
うわぁ…マジでどうでもいいし覚えられる気しねーとか思いながらノートに書き写してたんですが、途中でバイトの子が入ってきてゲームの話をしだし、どうやら当時流行っていたモンハンがいいところだったらしく店長と協力プレーをする為に誘いに来たようでした。
「ごめん、ちょっと狩り行ってくるわw」との事で店長退出。
…いや、今狩り行かれたら困るんですけど…。
結局その日店長は狩りに夢中で、僕はずっと謎の自習。
初日からもうヤバいとこ来ちゃったなって気持ちでいっぱいでした。
ちなみにこの座学で得た知識は今後1秒たりとも役に立つことはなかったです。
とにかく自由
これは個人経営ならではですが、あらゆる点で自由だったり寛容でした。
上で書いたゲームとかキャバクラ行っちゃう話もそうですが、本当にもうとにかく自由。
もちろん店長の人柄によるんでしょうがチェーン店のように店長の上の人間がいて管理されていたり、会社的にコンプライアンスにガチガチという事がない為、完全に店長のやりたいようにやってました。
チェーン店だと衛生的な理由やトラブル防止の為だったりで、つまみ食いや廃棄品を食べたりといった事を徹底的に禁止してる所も多いですが、個人経営の場合はほぼ店長の匙加減なので、大体の場合つまみ食いや余った料理やデザートとか食べても何も言われませんでした。
むしろ捨てたくないし、まかない作るのめんどいからそれでいいならそれ食べてくれって感じのスタンスだったので、クオリティの高い料理をつまみ食い出来るのはバイトの大きな楽しみの一つでした。
宴会のコース料理とかだとほとんど料理に手を付けない人もいたりするので、手つかずの料理が下がってきたりしたらバイト仲間と大喜びしてた記憶があります。
凝った料理を覚えられる
チェーン店の場合、店舗で味が変わらないように、開発済のソースや具材を使う事が多いと思いますが、個人経営店の場合色々な物に拘っている事が多く、この店の場合はソースはもちろん、ドレッシングやピザピッツァ生地、手打ちのパスタまで色々手作りで、そういったレシピを覚えられるのが凄く楽しかったです。
一通りこれらを覚えると、平日の暇な時間に仕込みで作ることを許されて、店長がゲームしてる間に一人でマイペースに作業出来るのが気楽で楽しかった記憶があります。
あと、店長が新メニューを作った時はバイトも試食して意見言ったり、少しだけ店作りに関わってる感があって楽しかったです。
厨房はゴキブリだらけ
個人経営という事もあるのか清掃の意識が低く、厨房はそんなに頻繁に掃除をしていなかった為、夏場の厨房はゴキブリが結構半端なかったです。
ゴキブリホイホイを仕掛けて翌日見るとびっしり隙間なく入ってたり、ふとした瞬間に壁見たら普通にいたり。。
最初はマジでキツかったですが、途中からは慣れと夏場の厨房の地獄の暑さでゴキブリどころじゃなくなり、見かけてもまたかぐらいの感じで洗剤かけて退治してましたね。
ここで働いて初めて知ったんですけど、ゴキブリって背中に洗剤かけるとすぐ氏んじゃうんですよ。
自由ではあるが色々適当
何事も店長の匙加減でとにかく自由なのと、当時の時代背景もあり福利厚生や交通費、時間の管理などはかなり適当でした。
タイムカードとかちゃんとした給与明細とかもなかったですし、店の混雑具合で当日に勝手に勤務時間変えられたりしょっちゅうでした。
適当過ぎてたまにイラつく場面もありましたが、よくある無駄なルールでガチガチな職場よりは気楽で、どちらかというとプラスポイントでした。
店長と合う合わないが全て
このレストランの他にも個人経営店でのバイトは経験があるんですが、個人経営店バイトは業務内容というより店長と合う合わないが全てだなあと、経験した全ての職場で感じましたね。
このレストランの場合は、当時の僕が若かったのもあり、自由で緩い雰囲気が気に入ってましたが、几帳面な方や効率至上主義っぽい人は店長と合わずにすぐ辞める人もいました。
僕の場合、別のバイトですがめちゃくちゃ体育会系の店長がやってる店は、店長が作り出す職場の雰囲気が耐えられずにすぐ辞めちゃいました。
飲食店は特に平日は暇だと思うんですけど、キッチンバイトだと暇な時間は店長と雑談したりもかなりあるので、仕事の考え方以外の面でも、合わない店長だと辛いと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
僕はここ含めて合計3つの個人経営店でバイトをした経験があるんですが、どこも店長はクセが強い人が多く、色んな意味で思い出になってる店が多いです。
ここは特にクセが強かったですが、どちらかというと良い思い出として残っているので記事にしてみました。
3年近く働いたものの、最終的には経営が苦しくなり、給料未払いが発生しだしたので辞めたんですが、経営が順調ならもっと続けていたと思います。
個人経営店は良くも悪くも普通ではない店が多いと思うので、手放しでお薦め!とは言えませんが、興味がある方は是非選択肢に入れてみてください。
以上、長々と読んでいただいてありがとうございました。
また暇なときにでも覗いてもらえると嬉しいです。
ではでは。