こんにちは。
前回は立会外分売について綴りました。
記事の最後に、次回は実戦的な初心者向け投資法を書きますと残しましたので今回語っていきます。
実戦的の意味
まず、何をもって実戦的かというところからですが、前回2つの投資法に関しては、あくまで株式投資の中の一つのコンテンツとして、当選した株を初値で売れば高確率で利益が出ますというものでした。
要は買うタイミングも売るタイミングも判断がいらない、やり方が決まった投資法です。
それに対して今回紹介するやり方は、買うタイミング売るタイミングに加えて地合い次第で結果は全く違ってきます。
そういった個人の判断力や外的要因に左右されるといったところで実戦的と表現しました。
どういう投資法?
さっそくどういった投資法かを説明していこうと思います。
まず、皆さんご存じだと思いますが、株には配当金や株主優待というものがありますよね?
これらはそれぞれの企業の権利付き最終日に株を所有している事が受け取る条件となります。
つまり、権利付き最終日に向けて配当金や優待目当ての買いが入り、株価が上昇する確率が高くなるのですが、一足早くそういった銘柄を仕入れることで利益を狙うという投資法になります。
配当や優待を受け取る事が目的ではなく、配当や優待による株価の上昇を利用した売却益を目的とした投資です。
権利付き最終日っていつ?
権利付き最終日は、権利月の最後の平日の2営業日前です。
ちなみに権利月の最後の平日を権利確定日と言います。
「わかりにくいんだけど」
って言われそうですが、文字で説明するとそうなっちゃうんで許してくだせえ。
具体例で言うと今年の2月なら26日、3月なら休日を挟んだ2営業日前で27日となります。
下準備
具体的なやり方の前に、まず下準備が必要になります。
それが何かというと、今後2ヵ月、出来れば3か月分の配当や優待が魅力的な銘柄を、証券会社アプリ内の監視リストや、以前紹介したヤフーファイナンスアプリのポートフォリオにまとめます。
「優待配当 まとめ」等でググればそういった銘柄のまとめサイトが出てくるので、配当ランキングや優待人気ランキング等でリストアップしましょう。
全てリストアップするときりがないので、配当でいえば3%(銘柄が多い月は4%)から上ぐらいまでで大丈夫です。
合計金額としては通常の月であれば150~200万円分、銘柄が多い月では500万円以上になると思いますが、これらを全部買う必要があるわけではないのでご安心ください。
ただ、上昇確率が高い銘柄を集めるわけですから、分散して投資出来るように資金が多いと大幅に難易度は低くなります。
リストアップの際、サイト内の情報が古い可能性があるので、必ず証券会社アプリの銘柄欄の四季報や優待情報で内容が変わってないかを確認してリストアップしましょう。
興味があれば1年チャートで前年の権利月付近の株価の動きを、日経平均の動きと照らし合わせながら見ておくといいと思います。
日経平均が暴落した月以外は高確率で上げているのがわかる筈です。
具体的なやり方
先に書いたように、権利付き最終日に向けて上がっていく株価に先駆けて株を保有しておくわけですが、どのくらいのタイミングで上がっていくかというのは銘柄によってバラつきがあります。
配当や優待内容が魅力的な銘柄ほど早いタイミングで上がる傾向はありますが、ここは銘柄によって全然違って1~3ヵ月前から上がりだします。
もちろんこれでは範囲が広過ぎて買うタイミングがわからないと思うので、ここで下準備したリストの登場です。
このリストをチャート表示して直近2、3ヵ月ほどの期間で底値付近にいる銘柄を調べてみましょう。
特に悪いニュースが出てるわけでもなく下がっているならば、買っておけば権利月最終日が近づくにつれて上がる可能性が高いです。
メジャーではない企業だと特にそういう傾向が強いですが、配当優待権利月の銘柄というのは会社の業績や将来性への期待というよりも、あくまで配当優待の為に買われるので、この時期は安ければ買いが集まりやすいです。
ただし、理由は下に書きますが決算が近い場合は避けましょう。
決算のタイミングは銘柄ページの適時開示の欄でわかります。
もう一つの買いポイントは決算後です。
決算前に購入して好決算で上がる方に賭けるのも無しではないですが、現実的には決算は結構な確率で株価が下がるので株を所持した状態で迎えるべきではありません。
逆に高確率で下がるので、下げる前提で待ち構えておいて、実際に下げてから買うべきです。
好決算で上がってしまった場合は、高値で掴まずその銘柄とは縁がなかったと諦めましょう。
買い場として見る場合も、あまりにも悪い決算の場合は減配発表の可能性があるので避けましょう。
減配はこの投資法で最も避けたいニュースになるのでここは徹底すべきです。
あくまで配当優待目当てで買われるので、その他のニュースは悪材料でもあまり下がらなかったり、下げても買いが集まりすぐ戻ることも多いですが減配が来ると確実にめちゃくちゃ下がります。
買ってしまえば気長に上がるのを待ちましょう。
欲張らずに数十円上がれば利益確定→別の下げてる銘柄を買う→数十円上がれば利益確定の繰り返しでそれなりに稼げる筈です。
本当は貸借倍率や板の状況等も考慮した方が勝率は上がりますが、あくまで初心者向けという事で下がった銘柄を買うってところだけにフォーカスした方が慣れが早いと思います。
しいて言うなら、板を見てunderに比べて極端にoverが多い銘柄は避けた方がいいかもしれませんが、見せ板も多く、関係なく上がる銘柄もあるので何とも言えません。
ちなみに権利付き最終日1ヵ月前の段階で株価が大幅に上がっている銘柄は、その後利益確定の売りが多くなり株価が下がる可能性が高いので深追いはやめましょう。
初心者向けな理由と利点
- 買う時期が絞られ、上がる理由が明確な為、銘柄選びが難しくない。
- 売買の少なめなマイナー銘柄が多く、動く金額が小さいので機関投資家の影響が少ない(嵌め込みを受けにくい)
- 各種指標やチャートの分析がそこまで必要ない。
- 勝率の高い投資法であり、株価が下がっても買い支えが入りやすく大崩れしにくいので、下げたとしても比較的被害が小さくて済む事が多い。
- 業績もよく、わかりやすく買いの銘柄は権利月最終日が近付いたタイミングに合わせて増配のニュースを出してくれる可能性があり、そうなると株価が大きく上がる。
- 地合いが悪くても大型株ほどは影響を受けない。
欠点
- そこまで大きな金額は稼げない。
- タイミングが噛み合わないとなかなか銘柄を買えない。
- 基本的に値動きが小さいので、買うのが早すぎたり、購入後に下がるとしばらくは持ちっぱなしで資金を拘束される。
- 中長期投資の宿命ですが、ある程度の期間とはいえ株を持つ投資法になるので、世界的な大暴落が来れば巻き込まれる。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この投資法は再現性も高く、負けた時の被害もそこまで大きくならないので初心者にもお薦めの投資法だと思っています。
僕自身この投資法にそれなりの資金を割いていますが、日経が暴落した去年の5月と8月以外はいい感じに利益を出せています。
投資法は人それぞれ考え方や適性が違うので、合う人も合わない人もいると思いますが、一つの選択肢として取り入れてもらえると幸いです。
以上、長々と書いていきましたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
また暇なときにでも覗いてみてもらえると嬉しいです。
ではでは。